ブレードを1年以上も使い続ける秘訣とは?バリカンのお手入れ方法を徹底解説【完全保存版】

バリカンの刃の寿命・切れ味を長持ちさせるためには、こまめなお手入れが欠かせません。
ブレードは消耗品ではありますが、丁寧なお手入れを続けていただくことで、より長く使用することができます。
シナムーン発売前から検証いただいているモニターさんの中には、なんと約1年9か月の間、毎日使い続けている方もいらっしゃいます!
しかし、「すぐ刃がダメになる…」「自分のお手入れ方法は合っているの?」と気になっている方も多いですよね。
この記事では、バリカンのブレードを長く使うための正しいお手入れ方法について詳しくご紹介していきます!
目次
ブレードの寿命を縮めてしまう原因とは?
バリカンの仕組みと動作原理を知ろう
みなさんは、そもそもバリカンがどのような仕組みで毛を刈っているかご存じですか?
バリカンの動作原理を知るとお手入れの重要性への理解も深まり、日々の取り扱いに気を付けるべきポイントも分かってきますので、一緒に勉強してみましょう!
バリカンは、大きく分けると「ブレード」と「本体」で構成されています。
ブレード(替刃)

隙間なくかみ合わせるために前後の構造になっている
バリカンは、ブレードの静刃と動刃を平行にスライドさせることによって毛を刈る仕組みとなっています。
静刃と動刃にはそれぞれたくさんの小さな刃が付いており、はさみと同様に、それらを隙間なくかみ合わせることによって毛を切断しているのです。
たくさんの小さなはさみを同時に動かしている、とイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

本体

動刃を動かす部品として重要なのが、本体に内蔵されているモーターです。
モーターの回転数やトルク(回す力)によってバリカンのパワーが決まります。
ブレードが劣化するメカニズム

何らかの要因によってブレードに「傷」ができてしまうと、たとえどんなに小さな傷でも動刃の動きに微細なずれが生じることになり、静刃と動刃の間に隙間が生まれてしまいます。
そうすると隙間ができた部分はうまく毛を切断できなくなり、静刃と動刃の間の摩擦が大きくなった部分は熱くなってしまうのです。
さらに、傷に当たることで異音が発生することもあります。
ブレードの傷が本体の故障につながることも
また、傷が付いた状態で使用すると、傷に引っかかることで刃の動きが不安定になり、モーターへ負荷がかかるため、バリカン本体の故障の原因となることもあります。
なぜブレードに傷が入ってしまうの?

「落としたりぶつけたりしないように気を遣っているのに…」とお思いかもしれません。
しかし、気づいていない習慣がブレードの傷の原因となっていることもあります。
習慣を見直すことで、傷を最大限防ぐことは可能になります。
ここで、ブレードの傷の原因となるNG行動をチェックしていきましょう!
動刃(上刃)が欠けたまま使用している


「動刃が少し欠けているようだけど、まだ使えるし…」と使用を続けている方はいらっしゃいませんか?
動刃が折れたまま使用を続けると、前述したように折れた箇所が擦れることで静刃にも傷が入ってしまいます。
動刃が折れてしまう原因としては、落下等の強い衝撃以外にも、ご自分でブレードを分解されることで動刃の位置がずれてしまい、アタッチメントと衝突してしまうといったケースもよく発生しています。
くれぐれもご自分でブレードを分解されないよう、お願いいたします。
つきましては動刃の状態を定期的にチェックしていただき、欠けや折れを見つけたらすぐに上刃交換にお申込みいただくことをおすすめいたします。
セット購入時に封入されている上刃交換サービス券をご使用いただくか、有償上刃交換サービスへお申込みください。
ブレードやアタッチメントの取り付け方が間違っている

誤った取り付け方の例
ブレードやアタッチメントの誤った取り付け方により、静刃や動刃を傷つけてしまうこともございます。
正しい取り付け方に関しましては、いま一度下記をご確認くださいませ。
ブレード・アタッチメントの正しい取り付け方法(CNM-1100)
ブレード・アタッチメントの正しい取り付け方法(CNM-2100)
動刃と静刃の間に毛が溜まってしまっている

実際の掃除不足による故障・傷の例
みなさん、バリカンの使用後はブレードのお掃除をしっかり行っていただいていますか?
特に動刃と静刃の間に毛が溜まってしまうと、毛だまりが動刃の動きの妨げとなり、刃を傷つける原因となるだけでなく、モーターに負荷がかかり、やがてバリカン本体の故障にも繋がってしまうことがあるので、要注意です。
汚れが見えにくく掃除しにくい場所ではありますが、必ず忘れずにブラシやエアダスター等でしっかり掃除を行いましょう。
もしブラシが届きにくい場合は、刃の間にしっかりオイルを注入することで、毛を流していただくこともできます。
オイルの量が足りていない・付け方が間違っている

実は、傷の原因としてもっとも多いのがこのケースです。
ブレードにはオイル・グリスを使ったメンテナンスをおすすめしております。オイル・グリス不足の状態でご使用を続けると、傷が入る原因となります。
毎回ちゃんとオイルを使っているという方でも、量が不十分だったり、付ける場所が間違っていたりすることも多く見られるので要注意です。
ブレードのお手入れにオイルを使うメリット

ブレードにこまめにオイルを差すことは、傷を防ぐためにはもちろん、毎日快適に使うためにも必須といえます!
ここで、オイルを差すことのメリットをご紹介いたします。
刃の切れ味が上がる
オイルを差すことで刃のスムーズな動きを安定させることができるので、鋭い切れ味を保つことができ、快適にトリミングが行えます。
刃の寿命が延びる
先に述べたようにブレードの傷を防ぐのはもちろんですが、刃のスムーズな動きは刃への負担を和らげ、刃が劣化しにくくなります。長く使うことができて刃の買い替え頻度が減れば、経済的にも嬉しいですよね。
掃除がしやすくなる
前述したように、お掃除の際にブラシの行き届きにくい箇所にもオイルを差すことで、詰まった毛が取り除きやすくなるという利点もあります。
動作音がより静かになる
オイルを差すことで刃の動きがスムーズになり、摩擦を減らすことができるので、バリカンから出る音もより抑えることができるのです。
一般的にバリカンに使われるオイルについて
オイルをこまめに差すことで、刃を長く快適に使うことができることが分かりました。
では、一般的にバリカンのお手入れに使われるオイルにはどのようなものがあるのでしょうか。
市販のバリカンオイル
バリカンオイルは、ホームセンター等で購入でき、液体やスプレータイプなど様々な種類の製品が売られています。
しかし、選ぶ際には以下の点に注意する必要があります。
ガススプレー・エアゾールタイプのオイルの使用に要注意!

ガススプレー・エアゾールタイプのオイルは吹きかけるだけで使いやすいため、使われている方も多くいらっしゃると思います。
しかし、ガススプレー・エアゾールタイプのオイルは揮発性が高く、継続の潤滑力が弱いというデメリットもあります。
さらに、動刃の後ろ側など、確実に必要な箇所に塗布できない可能性もあります。
また、ブレードをバリカン本体に装着したままスプレーをすると、本体内部にガスが入り込み引火・発火につながる恐れがあるので、注意が必要です。
(バリカン以外にも、ガススプレー・エアゾール製品の使用による電化製品の事故が全国的に報告されています。)
ご使用の際は、必ずブレードを本体から取り外してからご使用ください。
つけ置きタイプ·ジャータイプの洗浄液・潤滑剤は使用不可

つけ置きタイプ·ジャータイプなど、バリカンを直接浸すタイプの製品も売られていますが、故障の原因となるため、シナムーンにはご使用いただけません。
防錆・冷却成分を含む必要はない

実際の冷却スプレー使用による変色・溶解の例
また中には、潤滑効果のためだけでなく、防錆や冷却効果を付加する成分を用いている製品も見られます。そういった製品の多くが「溶剤」を含んでいることが多いです。
しかし、シナムーンに関してはブレードにチタン合金を採用しており、非常に錆びにくく熱くなりにくいという特性があります。
そのため、防錆・冷却を行う必要はなく、そのような溶剤を含んだ製品を使用すると、むしろブレードに修復不可能な損傷や故障をもたらす原因となることにもなりかねないため、注意が必要です。
バリカンオイルの代用品
バリカン専用のオイルでなく、代用品として使えるものとしては、ミシン油、ベビーオイル、サラダ油などが一般的にあげられます。
ただしこれらはあくまで代用品であり、メーカーでは推奨しておりません。故障や損傷の原因になっても保証の対象外となる場合もございますので、ご使用は自己責任でお願いいたします。
シナムーンにはどんなオイルを使えばいいの?

シナムーンにご使用いただくオイルとしては、先に述べたように、溶剤の入っていないシリコンオイルなどが推奨されます。
ただ、「どれを選べばよいかよく分からない…」「適切でない市販品でブレードを傷つけてしまわないか不安…」というお客様もいらっしゃるかと思います。
そんな方には、シナムーン純正のオイルのご使用をおすすめいたします!
シナムーン純正のオイル・グリスの使用が安心!

シナムーン純正のオイルは、溶剤を含まない良質の潤滑油となっており、シナムーンのお手入れのためだけに作られた専用のオイルなので、100%安心してお使いいただけます。
さらに、シナムーン純正のグリスも販売しています。グリスは、ブレードと本体モーターを接続するプラスチック部分に注入する潤滑剤で、動刃の動きをスムーズに保ち、部品の摩耗・破損を防ぐためにも欠かせないアイテムとなっております。純正のグリスは市販のものと比べて毛が絡みにくい仕様となっており、お掃除がしやすいのもポイントです。
公式推奨!シナムーンの正しいお手入れ方法

それでは、メーカーが推奨するシナムーンのお手入れのしかたをご紹介していきます!
なんとなく自己流でお手入れしているという方、なぜかすぐ刃がダメになって困っている方、毎日の習慣として今日から始めてみましょう!
①ブレードをバリカンから取り外す【使用後】

ブレードをバリカンに着けたまま、ササっと外側の毛を払って終了…なんて方はいませんか?
動刃と静刃の隙間やバリカンの内側にも、想像以上に毛は溜まっているものです。
先にもお話ししたように、残った毛溜まりから故障に繋がってしまうので、きちんと外してからお掃除を行ってくださいね。
ブレードの取り外し方(CNM-1100)
ブレードの取り外し方(CNM-2100)
②溜まった毛を取り除く【使用後】

付属のブラシや刷毛などを使って、ブレードとバリカンに付着した毛を徹底的に取り除きましょう。
刃の隙間の毛が取りにくい場合は、ブロワーやエアダスターの風で飛ばしていただくこともできます。
また、細長いスティック状のもので搔き出していただくのもオススメです。
(※あまり硬いもので擦るとブレードを傷つけてしまうので要注意)
ブレードのねじを外すのは絶対にNG!

ブレードは精密機器なので、少しねじをゆるめただけでも微細なずれが生じてしまい、刃の衝突による折れや傷などさまざまな故障の原因となります。
刃の隙間の毛は、基本的にはこまめにオイルを差すことで外に排出されますが、溜まってしまった毛がどうしても取れない場合は、メーカーの方で修復できるケースもありますので、無理に刃を分解しようとせずに一度お問い合わせくださいね。
③オイル・グリスを差す【使用前】
ところでみなさん、オイルとグリスを差す箇所はどこだかお分かりでしょうか?
以下の画像で正しい箇所を今一度確認してみましょう。

◎オイルの差し方
毎回のバリカン使用前に、ブレードの動刃と静刃が接する部分(上記画像赤点5か所)に適量を注入し、なじませてください。

◎グリスの差し方
毎回のバリカン使用前に、ブレードと本体モーターの接続部分(上記画像青点1か所)に適量を注入してください。

オイル・グリスはバリカン使用前がおすすめ
一日の終わりにバリカンのお掃除を行い、オイル差しまで済ませている方が多いのではないでしょうか?
しかし、オイルとグリスの効果を最大限発揮するためには、ご使用の前に差すことをメーカーでは推奨しています。
できれば、一匹のカットが終わるごとに上記の①~③の流れを繰り返していただくのがオススメです。
差した後に垂れてくるオイルは拭き取る
オイルがバリカンの内部に入ってしまうと、故障の原因となることもあります。
オイルがブレードから垂れてくる場合は、必ず拭き取ってから装着しましょう。
こまめにお手入れして長くシナムーンを使おう

シナムーンのブレードはこまめにメンテナンスをすれば長く愛用することができます。
普段からよくお手入れしているという方も、ぜひこの記事の内容を参考に、一度お手入れの仕方を見直してみてはいかがでしょうか。